2026年1月19日

視聴者の側に立つアナウンサーと、訪問者の側に立つサイト制作業者

時事伝わるサイトWMSの姿勢

フリーアナウンサーの久米宏さんが亡くなりました。
ご冥福をお祈りいたします。

大手メディアやSNS上などで、彼の功績が語られています。
番組作りで大切にしていたのは「視聴者の側に立つ」という姿勢。
専門家や当事者が当然としている話を、そのまま流さない。
時に意地悪な問いを投げかけ、揺さぶる。
予定調和を壊す存在として記憶されています。

専門家同士では省略されがちな前提や、説明されないまま進んでしまう論理に対して、
それはどういう意味ですか、なぜそうなるのですか、と尋ねる。
久米さんの問いかけは、「分からない立場」を引き受ける行為と言えます。

その問いが、視聴者のモヤモヤを晴らしていきます。
必ずしも分からない訳ではないけれど、あえて分からないという立場に立つ。
これが、「視聴者の側に立つ」というプロとしての高度な技術、だったのだと思います。

この姿勢は、ウェブサイト制作の仕事にも通じます。
ウェブ制作は発信側主導ですので、どうしてもその論理が前に出がちです。
しかし、サイトの目的は発信ではなくビジネスであり、
大事なのはその先にいるサイトの訪問者、つまり「発信者の顧客」です。

業界の慣習、商流、専門用語、暗黙の常識。
そうした発信側の認識を、説明不要な前提として進めてしまうと、
「訪問者に伝わる」という肝心な部分を取りこぼしてしまいます。

だから、私たちは自信をもって「分からない立場」に立ちます。
当事者にとっては当たり前すぎて言語化されない前提を、あえて問い直す。
その姿勢こそが、私たちの目指す「伝わるサイト」を作る仕事において、
重要な専門性なのだと思います。

この記事を書いた人
Mr.WMS(ミスターウェブマスターズ)
Mr.WMS(ミスターウェブマスターズ)

20世紀のビッグバンだったインターネットの商用解禁。
Mr.WMSはそのころからWEB業界にいる理系で歴史が大好きなご意見番です。